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人生/生き方わからないで迷う

■自分のしたいことややりたいことがわからない/なんのために生きるのか/なんのために仕事をするのか/なんのため


人生/生き方わからないで迷う


バス子「は~ぁ。人生や生き方が、わからなくて迷うなぁ。」

バス男「バス子ちゃ~ん。僕も迷ってて。」

バス子「はぁ。仙人に【人生/生き方わからないで迷う】を聞きに行ってみようかしら?」

バス男「仙人様の【~私は自転車をこいだ~人生/生き方わからないで迷う】の話かぁ・・」







~私は自転車をこいだ/人生/生き方わからないで迷う~

1.人生/生き方わからないで迷う

①自転車レース

■「位置について、よーいスタートっ!!」


私は、勢いよく自転車をこぎ始めた。
みんなも勢いよく自転車をこぐため、ぶつかり合い、もみくちゃになりながらも、私は「倒されまい!」と踏ん張りながら、ひたすら頑張って自転車をこいだ。

「周りの人達には負けられない!」そう感じるから、私は、時に周りの人達を押しどかしながらも、ひたすら頑張って自転車をこいだ。

「痛い!助けて~」後ろから、そう助けを呼ぶ声がいくらか聞こえてきた。
ぶつかり合った時に、倒され転んでしまった人たちの声であろうと思われた。

助けを呼ぶ声が耳に入り、私は「助けにいかなければ!」と思いつつも、でも、自分が先に進んでいきたいから、助けを呼ぶ声を無視して、ひたすら頑張って自転車をこいだ。
周りの人達の多くも、私と同じように、後ろめたさを感じつつも、自分が先に進んでいきたいから、助けを呼ぶ声を無視して、ひたすら自転車をこいでいた。


<みんな、ひたすら頑張って自転車をこいでいた>

頑張って自転車をこぐことで、【自転車メーター】が貯まっていき、その貯まった【自転車メーター】は、後でお金と交換できるから・・だろうか。

私は、頑張って自転車をこぎ、【自転車メーター】をたくさん貯め、多くのお金を得ることにより、かっこいい服やかっこいい靴が欲しかった。
ダサい服や靴だと、みんなからバカにされ見下されるし、逆に、かっこいい服やかっこいい靴だと女子にもモテるし、みんなから、羨ましい目で見てもらえるし・・その承認欲求や異性欲が、私に、ひたすら頑張って自転車をこがせた。
そして、それは私だけではなく、多くの人がそのようだった。

・・自転車レースでは、どうも、生まれ持った才能に恵まれている人もいるようで、先頭集団を走る人達は、私の遥か先を進んでいた。
先頭を走る彼ら/彼女らは、たくさんの【自転車メーター】を獲得していて、良い服や靴を身につけ、異性からもモテているようだった。それが羨ましく「私も、あーなりたい!」と思いつつも、悔しくて「あいつらなんて、転倒すれば良いのに!」とも思った。

後ろをチラっと振返ってみると。
私より、遅い人もいるようだった。
そういった人は、未だに、ほとんど【自転車メーター】が貯まっておらず、そのためダサい服や靴のままで・・私は「ふっ。あのような駄目な人達に比べれば、私の方が恵まれているな。」と見下し、少し優劣感にも浸りながら、再度前を向きなおし、また自転車をこぐことに全力を尽くした。


どのくらいスタート地点から進んだだろうか。
もう日が暮れ、その日はそれ以上、自転車を走らせることが出来なくなった。

私は、だいたい同じペースで走っていた友人のA君ともに、今夜の宿を近くで見つけ宿泊することにした。
【自転車メーター】の貯まりは、たいしたことなく、豪華なホテルには泊まることが出来なかった。
お金を節約するため、A君と一緒に安宿にて1部屋をかりた。

「は~ぁ。たくさんの【自転車メーター】が貯まっており、そのため豪華なホテルに泊まっている人もいるのになぁ。」窓の外の暗闇を見つめつつ、独り言のようにA君は言った。

私が「まあまあ。でも、なかには【自転車メーター】が貯まらずに野宿している人もいると聞くよ。」と答えると、「それは頑張って自転車をこがないからであって、本人の自業自得だよ。」窓の外を見つめたまま、そう淡々と言うA君は、私の方を向きなおし「よし、名無き。俺は明日から、もっと頑張って自転車をこぐことにするよ。そして、たくさんの【自転車メーター】を貯めて、明日こそはリッチなホテルに泊まるんだ!そして良い服や靴を手に入れ、女子にアピールして・・」途中から、また独り言のように・・否、まるで自分に言い聞かせるかのように、A君は言った。

私も、リッチなホテルに泊まりたい気持ちや、良い服や靴を手に入れ、女子からモテたい気持ちに突き動かされ「そうだよね。私も明日は、もっと頑張って自転車をこぐよ。」と答えた。


次の日の早朝。
A君に起こされ眠い目をこすっていると、「名無き、早く起きろよ。早く自転車をこぎ始めなきゃ!もう、自転車をこぎ始めている人もいるよ!」とせきたてられ、窓から外を見てみれば、既に自転車をこいでいる人達が視界に入ってきて・・焦る気持ちが芽生えた。

昨日も頑張って自転車をこいでいたから、体もきついし、まだ眠たかったけど「そんなの、皆同じだよ!頑張って自転車をこがないでどうする?」とA君から叱られるように言われ、「それもそうだ」と納得し、私も朝の準備を済ませ、きつい体にムチをうち、また自転車に乗り、こぎはじめた。

ホテルを出て少しいくと、その先は長い上り坂だった。
「この辛い坂道を我慢してのぼってこそ大人だ!みんな、この辛い坂道を我慢してのぼっているではないか!?」自分にそう言い聞かせ、心と体にムチ打って自転車を頑張ってこいだ。

途中、坂道を登りきれずに脱落して泣いている人もいた。
私の心の中には「可愛そう!」という気持ちと、「これでライバルが1人減った!ふふふ。」という気持ちと、「気持ちが切れてしまえば、自分も、あーなってしまう!」という恐怖心とが、渦巻いていた。

頑張って坂道をこぎ続けることで、【自転車メーター】が貯まっていくのが、唯一の救いだった。
辛く苦しく、楽しみのない坂道を必死でこぎ続けていると、【自転車メーター】の貯まり分ばかりが気になった。

昼過ぎには、ようやく坂道を通り抜け、平坦な道に入った。
「やっと坂道が終わったな。でも、またどうせ、坂道が現われるのだろうな。」そう話しかけてくるA君に対し、「あぁ。」とだけ答えた。今はただ、坂道から開放された安堵感に浸っていたかった。

自転車を頑張ってこぎ続けていると、後ろから「今日中に、△△の地点にまで進まなきゃ!でないと・・」という声がし振返ってみると、2人乗り自転車をこいでいるカップルが目に入った。

「良いなぁ。俺も女子と2人乗り自転車に乗りたい。」カップルに聞こえないよう、そう小声で話しかけてくるA君に対し、私も小声ではあったが力強く「あぁ。」と答えた。


・・スタート地点から、どれほど遠くまで来てしまっただろうか。
また、夜が訪れ始めていた。暗闇へと変わりきってしまう前に、A君と私は進むのを辞め今晩の宿を探し始めた。

あんなに必死に頑張ってこいだのに、豪華なホテルに泊まれるほどは【自転車メーター】は貯まっていなかった。
頑張りが報われていない気がして、気持ちが沈んだ。仕方なく、昨晩と同じような安価なホテルに1部屋をかりA君とともに泊まることにした。

「女子と一緒に自転車をこぐと、後ろから良い匂いがしてくるらしいぜ。」どこか遠くを見つめながら、ベットにこしかけたA君が話しかけてきた。
彼の脳内に、昼過ぎに見たカップルのことが回想されているであろうことは、容易に想像ができた。

「頑張って自転車をこぎ、多くの【自転車メーター】を獲得することのできる男子がモテるんだよね。羨ましいなぁ。」昼過ぎに見たカップルのことを回想しながら、私がそう答えると、相槌をうちながら「女子達は、大好きな彼と2人乗りをし、彼に、頑張って自転車をこいでもらうことで「愛されていること」が実感でき、嬉しいそうだ。」A君は言った。

少し間をあけた後「と、本に書いてあった。」そう、つけたしたA君に対し、「どんな本を読んでいるの?」と内心思いながら、「そうなんだ。」と私は言いつつ、「じゃあ、やっぱり頑張って自転車をこがないとなぁ。」と半無意識的に思った。


次の日も早朝から、自転車をこぎ始めた。
頑張って自転車をこいでいないと、周りの人達に負けてしまうからでもあった。

ホテルを出てから、どれほど進んだだろうか。また上り坂が現われた。
「ほんと、上り坂が多くて、嫌になるな。」眉間にシワを寄せ、坂道の遥か先を睨みつけながらA君が話しかけてきた。

坂道にて私は、息苦しさに耐えつつ自転車をこぐのにやっとで、弱弱しく「あぁ。」とだけ答えた。

前方を見てみると、どこまでも坂道が続いているかのように思われ、げんなりした。
どうして、下り坂を進まないのかと、少し不思議にも思えたが、下り坂では【自転車メーター】が貯まらないし、レースの道から外れてしまうからだと、自分ですぐに回答がわかったため、その素朴な疑問はかき消され、私は頑張って自転車をこぎ続けた。



・・もう正午をまわっていただろうか。
一瞬、ヒンヤリした気がして反射的に空を仰いだ。仰いだ顔の頬に、またヒンヤリした感覚があって雨だと気づいた。いつの間にか、空はグレーの雲で覆われていた。

「うわぁ。・・最悪。雨だよ?」ただでさえ、もう、これ以上は頑張ってこげそうもない精神状態であった私は、絶望を感じつつA君に話しかけた。
A君は無言のまま、さきほど以上に眉間にシワを寄せ、坂道の遥か先を睨みつけながら、ただ必死に自転車をこいでいた。

そのうち、雨足は激しくなり前方を直視できないほどになった。

激しい雨に心まで濡らされているような気がして、私はもう、これ以上は頑張って自転車をこぐことは出来ないよう思えた。もう限界だ!もう、無理・・・。
「休憩しよう?もう、無理だよ!」泣きそうな声で、A君にそう訴えた。

ざぁーーーーー

激しい雨の音にかき消され、私の声はA君に届かなかった。
休憩なんてすれば、皆からバカにされ見下され、{落ちこぼれ/脱落者}と見なされるため、休憩するのも恐かったが、私はもう、精神的にも肉体的にも、これ以上は自転車をこげない・・・もう限界、もう無理・・そう感じていた。
心も体も、ボロボロだった。

「あ、危ない!」フラフラしながら自転車をこいでいた私は、道にできた水溜りにタイヤをとられバランスを崩し倒れかけ、、、「ビシャっ!」反射的に足をついてしまった。大事に大事にしていた靴が、水溜りで濡れてしまった。

その瞬間。
なにかが終わってしまった気がして、悔しさや、絶望感から、涙が溢れてきた。
足をつき自転車をこぎ続けることから開放された自分の中に、安堵感にも似た気持ちが芽生えたことが、私をさらに悔しい気持ちにさせた。

雨と涙でぼやける視界のもと、坂道の先へと進んでいくA君の後姿が見え、その場にへたりこみ声を出して泣きじゃくった。

頑張って、今までは、なんとか耐えてきていたのに・・
「私はもう駄目なのだ。耐え切れずにドロップアウトしてしまったのだ。靴も、もう濡れてしまった。」自分がレースから脱落してしまったことに対して、そしてそのせいで、将来が絶望的になったことに対して、周りの皆から置いていかれることに対して、大事にしていた靴まで、もう濡れてしまったことに対して・・

情けなさや、悔しさや、不安感や、絶望感などが、泣きじゃくる私の中で渦巻き続けた。


・・どれほど、泣きじゃくっていただろうか。
気がつくと雨はいつの間にか止んでいた。

少しづつ冷静になりかけていた私の中で「まだ、やり直せるのではないか?」という思いもしてきた。
そう考え始めると「ブランクが長くなりすぎる方が危険ではないか?」とも思えてきた。

自転車をこがなきゃ!
どんなに辛くても、きつくても、苦しくても、自転車をこいで【自転車メーター】を貯めていかないと、今日、泊まる宿すら得ることができない。

雨と涙で濡れた目をこすり立ち上がり、私は再び自転車に乗りこぎはじめた。
時間が空いていたためか、自転車が重く思えてきつかったが、「自転車をこがないと全てが終わってしまう!」その恐怖心が私に自転車をこがせた。


ひたすら足元だけを見ながら、なるべく何も考えないようにしつつ自転車をこいだ。ただ、頑張って自転車をこぎ続けた。
考えると、また、情けなさや、悔しさや、不安感や、絶望感などが湧きあがってきそうだから、でもあった。



いくらか進んでいくと、幾分、坂道の傾斜もやわらいできて、すると分かれ道に遭遇した。
丁度、前後に自転車をこいでいる人がいなかったため、どちらに進むべきか、わからなかった。

道を訪ねようと思い、知り合いや友人達に携帯から電話をかけた。
ある人は「わからない」と言い、ある人は「左だ」と言い、ある人「右だ」と言った。

私は、どちらに進めば良いか迷い、混乱した。

「こんなところで迷い立ち止まっている暇はない。早く自転車をこぎ始めなきゃ!」そう思った。
と同時に「しかし、進むべき道がわからないのに自転車をこげは、間違ったゴールに早くたどり着くだけだろ?」そんな声も頭の中でした。


1度立ち止まることには、強い不安感を感じたが、がむしゃらに自転車をこぎ続けるだけでは、今までと同じであるし、間違った方に進み、後から気がつくことになる方が嫌にも思え、1度立ち止まってみようかと思った。

私は、さきほど左手に見えた公園まで自転車をこいで戻り始めた。

公園で立ち止まっている間、ライバルである皆は、自転車をこぎ続けているであろうし、1度、立ち止まってしまうと、頑張れなくなりそうな・・そういった漠然とした不安もあったが、今までと同じであることが嫌で、思いきって公園に向かった。


石で出来たベンチの横に自転車を止め、近くの自動販売機で買ったジュースをあけた。

「ふぅ~。」1度立ち止まりベンチに座り、一口ジュースを飲むと、肩の力が抜けてきて、、、

久しぶりに自然豊かな木々や、


足元の草などに目がいった。

そういえば子供の頃は、もっと草や土、木々が、近くに感じられていたことが思い出されて、今、またその子供の頃の感覚を思い出したことに不思議な気持ちになった。

私はいつの頃からか、自転車レースの中で、ゴールを目指し自転車をこぐことばかりに一生懸命になり始めていて、、、子供の頃には、もっと身近に・・


んっ!?


ちょっと待って。

ゴールって、どこ?



私は、自転車レースの中で、ゴールを目指し、頑張って自転車をこいでいるのだけど・・・そもそも、ゴールはどこ?


私は・・
私は、みんなが同じ道を競って走るから、それがレースの道なのだと無意識のうちに思って、自分も頑張って自転車をこいできたけど、そもそも、ゴールはどこ?

わけがわからなくなった。

このレースのゴールは、、、どこ?


今まで、考えたこともなかったが、立ち止まり考えてみると、ゴール地点が、わからないのであった。
携帯を手に取りネットで調べてみても、人によって、言うゴール地点が違った。

よく考えてみれば、学生時代。
自転車の乗り方は先生から教えてもらったし、教科書からも学んでいた。
しかし、そういえばゴールについては、教えてもらっていなかった。

私は今まで、どこをゴール地点と思い、自転車を頑張ってこいでいたのだろう?

自分が、今まで、ゴール地点もわからないままに、学生時代の頃から、ただ周りとの競争に煽られて、一生懸命に自転車のことを勉強し、社会人になってからは苦しみに耐えつつもひたすら自転車をこぎ続けてきたことを思うと少しこっけいに思えた。


ということは。
先頭を走っているように見えていた人達は、ゴールに近い人ではなく、ただ単に、一生懸命に自転車をこぎ、自転車メーターがたくさん貯まっているだけの人にすぎないのか?
本当は、先頭も、先頭集団も、ないように思えた。なぜなら、そもそもどこがゴールかわからないから。

ますます、わけがわからなくなった。


そして、ということは。
「走らねばならない道」にも、実は決まりはないようにも思えてきた。
1度立ち止まってレースのことを客観視してみれば、このレースでは、ただ、皆が同じ道を競って走っているから、その道が「正しいレースの道」と思われているだけに過ぎず・・

皆と競い合うレースにこだわらないのであれば、「走らねばならない道」にも決まりはなく、たくさんある道路の中で、自分の進みたい道路を走っても悪くはないようにも思えてきた。


というよりも。
そもそも、1度、自転車をこぐことをやめ、今こうやって公園のベンチに座り、よくよく考えてみれば。
どうして私は、この自転車レースに参加し頑張って自転車をこぎ続けているのか、その理由や意味すら、わからなくなってきた。

うん?そもそもどうして、私は、この自転車レースで勝とうとしているのだろう?

確かに、この自転車レースで勝て・・・いや、ちょっと待って。


どうやった勝ちになる?

‘勝つ’の定義すら、曖昧であるようにも思えてきた。

一応は、貯まった【自転車メーター】の量などで、「勝ち/負け」が決まるようにも思えたが、それは、たんに価値観の問題であり。

「お金がたくさんあることは良いことだ!」「異性からモテることは良いことだ!」という価値観に重きをおくから、そう感じているにすぎず。

この自転車レースにおいては本来、絶対的な「勝ち/負け」は存在しようがないのでは、とも思えた。

勝ち負けが存在しているように感じるならば、それは特定の価値観をもっているから・・否。
特定の価値観を ‘もたされているから’、であるようにも思えた。


勝ち負けも、そもそもゴールすら、存在しないレースの中で、私は、どこに向かうでもなく、ただ、みんなが頑張って自転車をこいでいるから、それにならい、自分も自転車を頑張ってこいでいるようにも思えた。

本当は、「この道を走らなければならない」というルールも決まりもないのに、ただ、みんなが走っている道が「正規の道」だと勝手に思い込み、みんなに続いて、その道を走り続けているだけであるようにも思えた。


実は、どの道路を走っても良く・・否。

道無き山道を、整備されていない山の中を、別に進みたければ進んでも良いのか??


携帯のアプリで地図を開き、現在地を確認してみた。
どの道路でも、好きに進んで良いのか、と思うと、その自由に嬉しさを感じると同時に、逆に恐くもなり、迷った。

もし自ら選び進んだ道が気に入らなければ、後で後悔しても、全部自分の自己責任になってしまうから・・。

責任を取りたくないから、今までは、みんなと同じ方向に進んでいたようにも思えた。
自己責任の覚悟がないと、自分で道を選び、自分の選んだ道を進むことが出来ないようにも思えた。


そして、そもそもゴール地点・・「この地点にまでたどり着きなさい」が、ないため、進みたければ進めば良いし、進む必要すら、ないようにも思えた。

そもそも、食べていけるだけの【自転車メーター】が貯まったら、その日はもうそれ以上、頑張ってまで自転車をこがなくても良いのかもしれない。

どうして私は「頑張って自転車をこがなきゃ!」と強く感じているのだろう?



いや、ちょっと待って?

自転車レース以前に、そもそも、どうして私は今、この現実の世界にいるのだろう?

そもそも、この現実って、なに?

私の目の前には今、現実の世界が広がっているが、この現実の世界って、なに?
どうして私は今、この現実の世界に存在している?


そして、どうして皆は、そういった疑問すらもたず、ひたすら、頑張って自転車をこぎ続けている?
どうして皆は、そういったことを疑問視せず、ひたすら、ただただ、みんなで同じ道を競い合いながら走り続けている?



勝ちも負けもないレースの中で・・否。
そもそも、これはレースなのかすら、定かでない中、ゴールなき道を、私はなぜか、がんばって自転車をこいでいて・・

ゴールも存在しない道にて、私はなぜ、頑張って自転車をこぎ続けているのだろう?

私は、いったい、どこに向かって走っている?・・否。
そもそも私は、どこに向かっていきたい?それすら、わからない。

いいや。
その前に、そもそもどこかに、向かう必要が、あるのだろうか?


ますます、わけがわからなくなってきた。



ふぅ~。
大きく息を吐き出し、公園を見渡してみた。

向かいに見える道路には、パラパラと自転車をこいでいる人達が見えた。
皆、公園のベンチに座り思想にふけている私の姿を「あいつはどうして、頑張って自転車をこいでいない?」と怪しい目で見てきた。

しかし私には、そもそもゴールすら、‘勝ち’の定義すら存在しないレースに・・否。
レースなのかすら、定かでないレースに戻り、ただ周りの風潮に煽られながら必死に自転車をこぎ続ける選択は、もう出来そうもなかった。


急いでレースに戻り自転車をこぎ始めても、ゴールがないため、どこかに辿りつけるわけでもないし・・

急いでレースに戻り自転車をこぎ始めても、【勝ちor負け】の定義がないため、勝つこともできないし・・否、そもそも勝つ必要がないし・・

そもそも、これはレースなのかすら、定かでないし・・

そう思うと、慌ててレースに戻り、ただ周りの風潮に煽られながら必死に自転車をこぎ続ける選択は、もう出来そうもなかった。



そうこう考えていると、焦ったり、慌てたり、競ったり・・もう、する必要がないようにも思え、のんびりと立ち上がり、公園の爽やかな空気を胸いっぱいに吸い込み背伸びをしてみた。

「は~、気持ち良いー。」目を閉じ、爽やかな空気を感じていると、

チュンチュン♪

小鳥の鳴き声がし振返ってみると、そこに、ひっそりと小道があるのが見えた。

その道は、名も無き無名な道であり、どこに辿り着くかも不明な、どこかに辿り着いたとしても、どのくらい時間がかかるかも検討がつかない怪しい道に思えた。

皆、そんな、ひっそりと存在している無名な小道なんて無視して、向かいに見える大道路を競い合いながら頑張って自転車をこいでいた。


私は、小鳥達の鳴き声に誘われるままに、その怪しげな無名の道に自転車を進ませ始めた。

そもそも、そんな怪しい道をわざわざ進んでみる意味も価値もないように思えたし、進まなければならない理由もなかった。

そんな道を進むより、皆と一緒に大道路を競い合いながら走り【自転車メーター】を貯めることに専念した方が要領が良いようにも思えた。


私は、軽はずみで怪しい道を走り始めた。迷い、熟考したわけではなかった。ただの軽はずみだった。

名も無き道を歩み始めた理由なんて、とくになかった。
強いていえば、そこに道があったから・・だろうか。
関連名無き仙人道


こんな道を走っても、誰も認めてくれないであろうし、女子にもモテないよう思われた。
そもそも、私が、こんな道を走っていること自体、誰も、知らないことであるし・・。

私に自転車をこがせていたのは、今までとは違い、承認欲求や異性欲、焦りや不安以外の‘何か’であった。
関連不安/焦りの人生が豊かになる方法({不安/恐れ/心配}をモチベーションに頑張ると・・)
自分自身が、「もう、承認欲求や異性欲に振りまわされたくない」と心の深い部分で感じつつあることも、小道を走りながら、なんとなく感じていた。




「あぁ、気持ち良いな。」マイペースで自転車をこいでいると、風が気持ち良いのであった。
そういえば、今まで、自転車に乗っていたのに、風を感じたことがなかった。
風は常にあったろうに、風を感じたことがなかった。

自転車をこぎながら、不平不満やイライラ、怒り、辛さ、苦しさ・・ばかりを感じていた今までの自分が、少し、不思議に思えた。

小道を道なりに走っていると、木々が太陽に照らされ輝いている様子が視界に入ってきた。
今まで、この世界の、輝かしい側面が視界に入ってきていなかったことに、その時、初めて気がつくことになった。




私はもう、「皆が、その道を走っているから」という理由だけでは、その道を走ることを辞めてしまった。

私は、周りの皆がどうであろうと、自分の進んでみたい道に自転車を向けるようようになった。

「今日中に、△△の地点にまで進まなきゃ!でないと・・」そういった焦りや不安感も、以前に比べればなくなっていった。
そもそも、ゴールがないから。

私は、ただ、幸せや、楽しみのために自転車をこぐようし始めた。

自転車をこがないと、飯にありつけないから、自転車もこぐし、向上心だってある。
が、それは誰かに勝ちたいからではなく、そもそも、これは勝手にみんなが同じ道を競い合って走り続けながらレースだと思い込んでいるだけのものであって・・・
そもそも、レースではないのかもしれないから。

私は、ただ、幸せや、楽しみのために自転車をこぐようにし始めた。

自分で選んだ道であるし、また、たまには坂道もこいでいかないと、自転車メーターも貯まらないし、ダイエットにもならずに、後で自分が嫌な気持ちになるし・・坂道をこぐことで長期的な繁栄/自分磨きにも繋がるから、坂道もこぐけど、以前のような「坂道を頑張ってこがなきゃ!でないと・・」という焦り感や不安感、強迫観念は、以前に比べれば・・ないようにも思えた。

私は、ただ、幸せや、楽しみのために自転車をこぐようし始めた。

一応は、こうなると良いかな、というビジョンはもっているものの。
そもそもゴールなき道であるため、どこかにたどり着かなきゃ!という焦りや不安はないし、絶対に向かわなければならない地点もないし、休憩したければ、立ち止まって休憩するようになった。

そういえば、仙道と関係の深い老子は、周を去る際、水牛に乗っていて、行き先を水牛に任せていた・・とも聞いたことがあった。
老子には、そもそも、どこか向かいたい先があったわけでもなく、ただ、楽しみのために水牛にのり旅をしていたのかもしれない、とも思った。


私は、ただ、幸せや、楽しみのために自転車をこぐようし始めた。

それまでは、「皆と同じ道を進まないと!」と焦っていたが、それも辞めてしまった。
道が外れているかどうか?は、みんなが通っているかどうか?では、決まらないよう思えてきているからでもあった。

道が外れているかどうか?は、原理原則で決まるのだと、個人的には思うようになった。

皆が原理原則的に、間違った道を進んでいる場合、皆が進んでいるとしても、それはやっぱり、間違った道であるよう思われた。
戦時中のことを学んだ学生時代の記憶が、私にそう思わせた。

そのため、みんなが通っている道かどうか?ではなく、原理原則に基づいて、己の信念に従って進むようし始めた。

誰しもが従わなければならない道はなく、人にはそれぞれ向き不向きや、進むべき道があるため・・・ただ、個人的には、そうし始めた。
関連人生/生き方「迷わない指針」(繁栄原則と破滅原則)


私は、ただ、幸せや、楽しみのために自転車をこぐようし始めた。

傍から、自転車をこいでいる私の姿を見れば、「彼も、レースを頑張って勝とうとしているのだな」と見えるのかもしれないが、私は【自転車をこぐ = レース】とは、思わなくなっていて、私は周りとの競争のために自転車をこいでいるのではなく、周りとの相対的な関係性に縛られることなく、ただ、幸せや、楽しみのために自転車をこぐようし始めた。
関連相対的世界で生きる意味とは?名言(「相対性の罠にハマる」から「相対性の世界で遊ぶ♪」へ)


未だに、わからないことだらけであるし、思いどおりにいかないことや上手くいかないこともあるし、不満や悩みや問題が出てくるときもあるけれど、それでも、感謝の気持ちや正直さ、誠実さなど、繁栄的な原則{正直/誠実/感謝/奉仕/謙虚/良心/他者の幸せを願う心}を大切にし、奉仕や貢献、他者の幸せに喜びを感じる自分を育てるよう努めつつ・・・ただ、幸せや、楽しみのために自転車をこぐようし始めた。



私の第1期間の自転車レースは終わりを告げ。

私の、第2の自転車レースが・・否。
私の、第2の自転車の ‘旅’ が・・・幸せや楽しさいっぱいになることを願った旅が始まった。


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~人生/生き方わからないで迷う|仕事/働き方/恋愛/結婚/お金~
<writer 名無き仙人>


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バス男「僕はバイクに乗りたいなぁ。」

バス子「これは自転車の話なのよ。」

仙人「人生が、幸せや楽しさでいっぱいになると良いのぉ。」







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