幸せとは?女性の恋愛編

■幸せとはなにか?女性の恋愛編/幸せな恋愛をするコツ/幸せな恋愛をする女性の特徴や条件/幸せな恋愛をしたい!


幸せとは?女性の恋愛編


バス子「は~ぁ。私も幸せな恋愛をしたいし、幸せな女性になりたいなぁ。」

バス男「バス子ちゃ~ん。僕も同じくだよぉ。」

バス子「仙人のところに【幸せとは?女性の恋愛編】の話を聞きにいってみようかしら?」

バス男「仙人様の【~私は自転車をこいだ~幸せとは?女性の恋愛編】の話かぁ・・」







~私は自転車をこいだ/幸せとはなにか?幸せな恋愛をしたい!~

1.幸せとは?女性の恋愛編

①幸せな恋愛をしたい!幸せな女性になりたい!

■「危ないっ!」


周りの皆が、スタートの合図とともに、勢いよく自転車をこぎ始めた。
みんなが勢いよく自転車をこぐため、ぶつかり合い、もみくちゃにされながらも、私は、なんとか倒されないよう頑張りながら、置いていかれないよう一生懸命に自転車をこいだ。

「置いていかれたくない!」そう感じるから、私は、時に周りの人達を押しどかしながらも、一生懸命に自転車をこいだ。

「痛い!助けて~」後ろから、そう助けを呼ぶ声がいくらか聞こえてきた。
ぶつかり合った時に、倒され転んでしまった人たちの声であろうと思われた。

助けを呼ぶ声が耳に入り、私は「助けにいかないと!」と思いつつも、でも、自分が皆から置いていかれたくないから、助けを呼ぶ声を無視して、ひたすら一生懸命に自転車をこいだ。
周りの人達の多くも、私と同じように、後ろめたさを感じつつも、自分が置いていかれたくないから、助けを呼ぶ声を無視して、ひたすら自転車をこいでいた。


<みんな、ひたすら頑張って自転車をこいでいた>
頑張って自転車をこいでいないと、みんなから置いていかれて、寂しい嫌な目に合うし、一生懸命に自転車をこげば【自転車メーター】が貯まっていき、その貯まった【自転車メーター】は、後でお金と交換できるから・・だろうか。

私は、仲良しグループのミキやアヤカ達から置いていかれるのが恐くて、みんなについていけるよう一生懸命に自転車をこいだ。
それに・・一生懸命に自転車をこぐことで【自転車メーター】を貯め、可愛い服やヒールが欲しかった。

ダサい服やヒールだと、みんなからバカにされ見下され、仲間外れにされるかもしれないし、逆に、可愛い服やヒールだと男子からもモテるかもしれないし、みんなから、羨ましい目で見てもらえるかもしれないし・・その恐怖心や、承認欲求、異性欲が、私に、ひたすら頑張って自転車をこがせた。
そして、それは私だけではなく、多くの人がそのようだった。


・・自転車レースでは、生まれ持った容姿に恵まれている恋愛上手な1部の女子たちが、彼氏と2人乗り自転車に乗って、私の遥か先を進んでいた。
2人乗り自転車だと、彼が頑張って自転車をこいでくれるから進むのも早いように思えたし、幸せそうで羨ましく「私も、彼氏と2人乗り自転車に乗りたい!」と思いつつも、悔しくて「あの人達なんて、転倒すれば良いのに!」とも少し思ってしまった。

後ろをチラっと振返ってみると。
仲良しグループから置いていかれてしまったのか、1人寂しく自転車をこいでいる子たちも見えた。
そういった女子は、未だに、ほとんど【自転車メーター】も貯まっておらず、そのためダサい服や靴のままで・・私は「可愛そう!」と思いつつも、「ふっ。あんな女子に比べれば、私の方が恵まれてる。」と内心見下し、「もし置いていかれたら、私も、あーなっちゃう!」と不安にもなり、再度前を向きなおし、ミキやアヤカ達から置いていかれないよう、また自転車をこぐことに全力を尽くした。


どのくらいスタート地点から進んだだろうか。
もう日が暮れ、その日はそれ以上、自転車を走らせることが出来なくなった。

私達は、みんなで、今夜の宿を近くで見つけ宿泊することにした。
【自転車メーター】の貯まりは、たいしたことなく、豪華なホテルには泊まることは出来なかった。
お金を節約するため、安価なホテルにて2人づつで1部屋借りた。私はアヤカと同じ部屋に泊まることになった。
アヤカとは、とても気が合いなんでも話せる仲であったため、ほっとしたと同時に、嬉しくも思った。

「彼氏と2人で自転車をこぐから、たくさんの【自転車メーター】が貯まっており、そのため豪華なホテルに彼と泊まっている子もいるのよね。」さきほど買った服を袋から取り出し広げてみながら、独り言のようにアヤカは言った。
その服は、チェックイン後に、みんなで近くのお店に買い物をしにいった時にアヤカが買った、淡いピンク色のブラウスだった。

自分がさきほど買ったお気に入りのヒールに惚れ惚れと見とれながら私が「でも、なかには、みんなから置いていかれて1人寂しく安宿に泊まっている子もいるみたいよ。」と答えると、「それは頑張って自転車をこがないからであって、本人の自業自得よ。」立ち上がり窓の外を見つながら、そう淡々と言うアヤカは、少し黙った後、私の方を向きなおし「ねぇ、サキ、私は明日から、もっと頑張って自転車をこぐね。そして、もっと【自転車メーター】を貯めて、明日こそはリッチなホテルに泊まるの!そして可愛い服や靴も、もっと買いたい。それに彼氏だって・・」途中から、また独り言のように・・否、まるで自分に言い聞かせるかのように、アヤカは言った。

私も、リッチなホテルに泊まってみたい気持ちがあったし、みんなから置いていかれたくない気持ちに突き動かされ「そうだよね。私も明日は、もっと頑張って自転車をこぐね。」と答えた。


次の日の早朝。
アヤカに起こされ眠い目をこすっていると、「サキ、早く起きて自転車をこぎ始めなきゃ!もう、自転車をこぎ始めている人もいるよ!」とせきたてられ、窓から外を見てみれば、既に自転車をこいでいる人達や、男性グループと楽しそうに雑談しながら自転車をこぐ女子のグループが視界に入ってきて・・焦る気持ちが芽生えた。

昨日も頑張って自転車をこいでいたから、体もきついし、まだ眠たかったけど、昨日買ったお気に入りのヒールを履けると思うと嬉しい気持ちもして、朝の準備を済ませ、きつい体にムチをうち、また自転車に乗り、こぎはじめた。

ホテルを出て少しいくと、その先は長い上り坂だった。
みんな、きつそうだったけど、それでも頑張って自転車をこいでいた。「私も頑張らなきゃ!(でないと皆から置いていかれる!)」自分にそう言い聞かせ、心と体にムチ打って自転車を頑張ってこいだ。

途中、坂道を登りきれずに脱落して、1人寂しく泣いている子もいた。
私の心の中には「可愛そう!」という気持ちと、「気持ちが切れてしまえば、自分も、あーなってしまう!」という恐怖心とが、渦巻いていた。

頑張って坂道をこぎ続けることで、【自転車メーター】が貯まっていくのが、唯一の楽しみだった。
辛く苦しく、楽しみのない坂道を必死でこぎ続けていると、【自転車メーター】の貯まり分ばかりが気になった。

昼過ぎには、ようやく坂道を通り抜け、平坦な道に入った。
「やっと坂道が終わったね。でも、またどうせ、坂道が現われるのよね~。」そう話しかけてくるアヤカに対し、「うん。」とだけ答えた。今はただ、坂道から開放された安堵感に浸っていたかった。

自転車を頑張ってこぎ続けていると、後ろから「今日中に、△△の地点にまで進まなきゃ!でないと・・」という声がし振返ってみると、2人乗り自転車をこいでいるカップルが目に入った。

「良いなぁ。私も彼氏と2人乗り自転車に乗りたい。」カップルに聞こえないよう、そう小声で話しかけてくるアヤカに対し、私も小声ではあったが力強く「うん。」と答えた。


しばらく道なりに自転車をこいでいると、「あっ!」道路のへこみにタイヤがとられた衝撃で、お気に入りのヒールが脱げ、後ろの方へ飛んでいってしまった。
「みんな、待って!」私はUターンしながら目でヒールを探しつつ「もし、見つからなかったらどうしよう!?」と思うと、気が気でなかった。

どこかに落ちていないか道路を必死に探していると、少し離れたところに、片足分のヒールをもち自転車横に立つ男性が見えた。
彼が大きいせいか、私のものであろう彼のもつヒールが小さく見えた。

「可愛いヒールですね。」優しく微笑みかけながら、名前もわからない彼は、私にヒールを手渡してくれた。
「あ、ありがとうございます。」片足しかヒールを履いていない私は、恥ずかしさから彼を直視できなかったものの、彼の優しい雰囲気を感じた。

彼の話によると、私のヒールは道路を転がり、あちら側の草むらにまで入っていった、とのことだった。
それをわざわざ、自転車から降り拾い届けてくれた彼に・・多分年齢は私より上なのだろうけど、笑った時の表情には可愛さも感じる彼に、胸がドキドキした。

楽しくもあり、またドキドキもする彼との会話に夢中になっていると。
ふっと、そこでようやく、みんなのことが思い出された。

直感的に焦りを感じ後ろを振り向くと、みんなが自転車をこいで進んでいる様子が視界に入ってきた。

「みんな待って!」急いでみんなを追いかけようと自転車に乗ると、こんな時に限ってチェーンが外れているようで、ガ、ガ・・一生懸命にこごうとするのに車輪がまわってくれなかった。
「アヤカ!待って!」アヤカなら、アヤカなら待ってくれると思い、思わずアヤカの名を叫んだ。

遠くに見えるアヤカはチラっと私の方を振り向き、また前を見て、みんなと共に自転車をこぎ続けた。
遠くに見えたアヤカの表情には、申し訳ない気持ちが溢れていたよう思え、私は涙が溢れてきた。

みんなから置いていかれる!
小さくなっていく、みんなの後ろ姿をやるせなく見つめていると心臓がドキドキしてきて、涙がとまらなくなった。

私は、1人ぼっちになっちゃうの?
どうして、みんなは、私のことを置いていくの?

その場に崩れ落ちそうになった私を抱えてくれた名前もわからない彼が、「大丈夫、俺が君の側にいるよ。」と言ってくれたことが、せめてもの救いだった。



・・スタート地点から、どれほど遠くまで来てしまっただろうか。
また、夜が訪れ始めていた。暗闇へと変わりきってしまう前に、彼氏の蒼人・・ヒールを見つけてくれた彼・・と私は、進むのを辞め今晩の宿を探し始めた。

あんなに必死に頑張って自転車をこいでいたのに、豪華なホテルに泊まれるほどは【自転車メーター】は貯まっていなかった。
頑張りが報われていない気がして、気持ちが沈んだ。仕方なく、安価なホテルに1部屋をかり蒼人とともに泊まることなった。

「もっとリッチなホテルに泊まれたらなぁ。」どこか遠くを見つめながら、ベットにこしかけた蒼人が話しかけてきた。
大好きな、そして唯一頼れる蒼人と一緒なら、安価なホテルでも良い!と思いつつも「うん」と私は話しを合わせた。

「俺が・・」なにかを言いにくそうな蒼人の表情に困惑しつつも「うん?」と尋ねると「俺がもっと頑張って自転車をこいでいたら、もっとリッチなホテルに泊まれたのに・・・君に、、、」そこまで言うと口をつむぎ、蒼人は真剣な表情で黙り込んだ。

「君に・・」の続きがわからず、蒼人の真意がわからず、私は心配な気持ちになって「2人乗り自転車だったら、もっと【自転車メーター】も貯まるんだよね?」と言った。
そう言ったのは、2人乗り自転車になれば、蒼人から置いていかれる心配がなくなるように思えていたからでもあった。

「だけど2人乗り自転車には、」蒼人は2人乗り自転車のデメリットを言った。「・・など、デメリットもあるから、、。」

蒼人が2人乗り自転車に乗ることに対して乗り気でないことがわかり、寂しさがこみ上げてきて、私はそれ以上、なにも言えなかった。何かを言おうとすると、泣いてしまいそうだったからでもあった。

その晩は眠りへと落ちていきながら半無意識的に「じゃあ、やっぱり頑張って自転車をこがなきゃ!(でないと蒼人からも置いていかれる!)」と感じていた。



次の日も早朝から、自転車をこぎ始めた。
頑張って自転車をこいでいないと、周りの人達に負けてしまうから、と蒼人は私を見ずに真っ直ぐ先を見たまま言った。私は真剣な顔をした蒼人の横顔を見ながら「うん。」と答えた。

ホテルを出てから、どれほど進んだだろうか。また上り坂が現われた。
「この登り坂を頑張って上ることで、【自転車メーター】が貯まるんだ。」眉間にシワを寄せ、坂道の遥か先を睨みつけながら、自分自身に言い聞かせるかのように蒼人が言った。

坂道にて私は、息苦しさに耐えつつ自転車をこぐのにやっとで、弱弱しく「うん。」とだけ答えた。

前方を見てみると、どこまでも坂道が続いているかのように思われ、げんなりした。
どうして、下り坂を進まないのかと、少し不思議にも思えたが、下り坂では【自転車メーター】が貯まらないし、レースの道から外れてしまうからだと、自分ですぐに回答がわかったため、その素朴な疑問はかき消され、私は置いていかれないよう一生懸命に自転車をこぎ続けた。



・・もう正午をまわっていただろうか。
一瞬、ヒンヤリした気がして反射的に空を仰いだ。仰いだ顔の頬に、またヒンヤリした感覚があって雨だと気づいた。いつの間にか、空はグレーの雲で覆われていた。

「うそぉ。・・雨が降ってきたよ?」ただでさえ、もう、これ以上は頑張ってこげそうもない精神状態であった私は、「少し、雨宿りしようか?」という優しい返事を期待して蒼人に話しかけた。
蒼人は無言のまま、さきほど以上に眉間にシワを寄せ、坂道の遥か先を睨みつけながら、ただ必死に自転車をこいでいた。

私のことより、【自転車メーター】を獲得することの方が大切なの?そう思うと、悲しみがこみ上げてきた。
だけど我慢し、自分の気持ちを押し殺して、蒼人に置いていかれないよう、私は一生懸命に自転車をこいだ。

そのうち、雨足は激しくなり前方を直視できないほどになった。

激しい雨に心まで濡らされているような気がして、私はもう、これ以上は頑張って自転車をこぐことは出来ないよう思えた。もう限界!もう、無理・・・。
「休憩しよう?もう、無理だよ。」泣きそうな声で、蒼人にそう訴えた。

ざぁーーーーー

激しい雨の音にかき消され、私の声は蒼人に届かなかった。
自転車をこぐのに忙しく、休憩をする暇が蒼人にはないのかもしれないけれど、私はもう、精神的にも肉体的にも、これ以上は自転車をこげない・・・もう限界、もう無理・・そう感じていた。
心も体も、ボロボロだった。

「あ、危ない!」フラフラしながら自転車をこいでいた私は、道にできた水溜りにタイヤをとられバランスを崩し倒れかけ、、、「ビシャっ!」反射的に足をついてしまった。大事に大事にしていたお気に入りのヒールが、せっかく蒼人が見つけてくれた大切なヒールが、水溜りで濡れてしまった。

その瞬間。
なにかが終わってしまった気がして、悲しみや、絶望感から、涙が溢れてきた。

また、大切な人から置いていかれる・・

雨と涙でぼやける視界のもと、坂道の先へと1人進んでいく蒼人の後姿が見え、その場に崩れ落ち声を出して泣きじゃくった。

頑張って、今までは、なんとか耐えてきていたのに・・
「私はまた、大切な人から置いていかれた。今度は、もう誰も私の側にはいてくれない。」自分が自転車レースの脱落者となってしまったような気がして、そしてそのせいで、将来が絶望的になった気がして、もう誰も私のことなんて愛してくれない気がして、大事に大事にしていたお気に入りのヒールまで、もう濡れてしまったことに対して・・

寂しさや、不安感、孤独感、絶望感などが、泣きじゃくる私の中で渦巻き続けた。

崩れ落ち泣きじゃくる私の側にはもう、今度は誰もいてくれなかったし、助けにきてもくれなかった。
自分のことが惨めに思え、頭の中では、みんなと自転車をこいでいた、なんだかんだ言いつつも楽しかった日々や、アヤカの申し訳なさそうな表情、坂道の先へと1人進んでいく蒼人の後姿・・などが、何度も何度も再生され続けた。


・・どれほど、泣きじゃくっていただろうか。
気がつくと雨はいつの間にか止んでいた。

少しづつ冷静になりかけていた私の中で「まだ、やり直せるのではないか?」という思いもしてきた。
そう考え始めると「ブランクが長くなりすぎる方が危険ではないか?」とも思えてきた。

自転車をこがなきゃ!
どんなに辛くても、きつくても、苦しくても、自転車をこいで【自転車メーター】を貯めていかないと、今日、泊まる宿すら得ることができない。

雨と涙で濡れた目をこすり立ち上がり、私は再び自転車に乗りこぎはじめた。
時間が空いていたためか、自転車が重く思えてきつかったが、「自転車をこがないと全てが終わってしまう!」その恐怖心が私に自転車をこがせた。


ひたすら足元だけを見ながら、なるべく何も考えないようにしつつ自転車をこいだ。ただ、頑張って自転車をこぎ続けた。
考えると、また、寂しさや、孤独感や、不安感や、絶望感などが湧きあがってきそうだから、でもあった。



いくらか進んでいくと、幾分、坂道の傾斜もやわらいできて、すると分かれ道に遭遇した。
丁度、前を走る自転車がいなかったため、どちらに進むべきか、わからなかった。

道を聞こうと思い、後ろから来た人に「どちらに進めば良いですか」と尋ねた。
その人は「わからない」と言い、次に尋ねた人は「左に行きなさい」と言い、その様子を見ていた別の人が「いいや、貴女は右に行きなさい」と言った。

私は、どちらに進めば良いか迷い、混乱した。

「こんなところで迷い立ち止まっている暇はない。遅れた分、みんなに追いつくために早く自転車をこぎ始めなきゃ!」そう思った。
と同時に「しかし、進むべき道がわからないのに自転車をこげは、間違ったゴールに早くたどり着くだけじゃない?」そんな声も頭の中でした。


1度立ち止まることには、強い不安感を感じたが、がむしゃらに自転車をこぎ続けるだけでは、今までと同じであるし、間違った方に進んでしまい、後から気がつくことになる方が嫌にも思え、1度立ち止まってみようかと思った。

私は、さきほど左手に見えた公園まで自転車をこいで戻り始めた。

公園で立ち止まっている間、ライバルである皆は、自転車をこぎ続けているであろうし、1度、立ち止まってしまうと、頑張れなくなりそうな・・そういった漠然とした不安もあったが、今までと同じであることが嫌で、思いきって公園に向かってみた。



石で出来たベンチの横に自転車を止め、近くの自動販売機で買った紅茶のキャップをあけた。

「ふぅ~。」1度立ち止まりベンチに座り、一口紅茶を飲むと、肩の力が抜けてきて、、、


久しぶりに自然豊かな木々や、


足元の草などに目がいった。

そういえば子供の頃は、もっと草や土、木々が、近くに感じられていたことが思い出されて、今、またその子供の頃の感覚を思い出したことに不思議な気持ちになった。

私はいつの頃からか、自転車レースの中で、皆に置いていかれないようゴールを目指し自転車をこぐことばかりに一生懸命になり始めていて、、、子供の頃には、もっと身近に・・


んっ!?


ちょっと待って。

ゴールって、どこ?



私は、自転車レースの中で、ゴールを目指し、頑張って自転車をこいでいるのだけど・・・そもそも、ゴールはどこ?


私は・・
私は、みんなが同じ道を競って走るから、それがレースの道なのだと無意識のうちに思って、自分も頑張って自転車をこいできたけど、そもそも、ゴールはどこ?

わけがわからなくなった。

このレースのゴールは、、、どこ?


今まで、考えたこともなかったが、立ち止まり考えてみると、ゴール地点が、わからないのであった。
携帯を手に取りネットで調べてみても、人によって、言うゴール地点が違った。

よく考えてみれば、学生時代。
自転車の乗り方は先生から教えてもらったし、教科書からも学んでいた。
しかし、そういえばゴールについては、教えてもらっていなかった。

私は今まで、どこをゴール地点と思い、自転車を頑張ってこいでいたのだろう?

自分が、今まで、ゴール地点もわからないままに、学生時代の頃から、ただ周りとの競争に煽られて、一生懸命に自転車のことを勉強し、社会人になってからは苦しみに耐えつつもひたすら自転車をこぎ続けてきたことを思うと少しこっけいに思えた。


ということは。
遥か先を走っているように見えていた人達は、ゴールに近い人ではなく、ただ単に、一生懸命に自転車をこぎ、自転車メーターがたくさん貯まっているだけの人にすぎないの?
本当は、先も後も、ないように思えた。なぜなら、そもそもどこがゴールかわからないから。

ますます、わけがわからなくなった。


そして、ということは。
「走らねばならない道」にも、実は決まりはないようにも思えてきた。
1度立ち止まってレースのことを客観視してみれば、このレースでは、ただ、皆が同じ道を競って走っているから、その道が「正しいレースの道」と思われているだけに過ぎず・・

皆と競い合うレースにこだわらないのであれば、「走らねばならない道」にも決まりはなく、たくさんある道路の中で、自分の進みたい道路を走っても悪くはないようにも思えてきた。


というよりも。
そもそも、1度、自転車をこぐことをやめ、今こうやって公園のベンチに座り、よくよく考えてみれば。
どうして私は、この自転車レースに参加し、みんなから置いていかれないよう一生懸命に自転車をこぎ続けているのか、その理由や意味すら、わからなくなってきた。

うん?そもそもどうして、私は、この自転車レースで勝とうとしているのだろう?

確かに、この自転車レースで勝て・・・いや、ちょっと待って。


どうやった勝ちになる?

‘勝つ’の定義すら、曖昧であるようにも思えてきた。

一応は、結婚がゴールとされていたり、もしくはイイ男と結婚できたり、お金持ちになれたり、、、で「勝ち/負け」が決まるような風潮もあるよう思えたが、それは、たんに価値観の問題であり。

「お金」「結婚」などに価値観の重きをおくから、そう感じているにすぎず。

この自転車レースにおいては本来、絶対的な「勝ち/負け」は存在しようがないのでは、とも思えた。

勝ち負けや、ゴールが存在しているように感じるならば、それは特定の価値観や‘思い込み’をもっているから・・否。
特定の価値観や‘思い込み’を ‘もたされているから’、であるようにも思えた。


勝ち負けも、そもそもゴールすら、存在しないレースの中で、私は、どこに向かうでもなく、ただ、みんなが頑張って自転車をこいでいるから、それにならい、自分も「みんなに置いていかれないように!」と思って自転車を頑張ってこいでいるようにも思えた。

本当は、「この道を走らなければならない」というルールも決まりもないのに、ただ、みんなが走っている道が「正規の道」だと勝手に思い込み、みんなに続いて、その道を走り続けているだけであるようにも思えた。


実は、どの道路を走っても良く・・否。

道無き山道を、整備されていない山の中を、別に進みたければ進んでも良いの??


携帯のアプリで地図を開き、現在地を確認してみた。
どの道路でも、好きに進んで良いのか、と思うと、その自由に嬉しさを感じると同時に、逆に恐くもなり、迷った。

もし自ら選び進んだ道が気に入らなければ、後で後悔しても、全部自分の自己責任になってしまうから・・。

責任を取りたくないから、今までは、みんなについていき、みんなと同じ方向に進んでいたようにも思えた。
自己責任の覚悟がないと、自分で道を選び、自分の選んだ道を進むことが出来ないようにも思えた。


そして、そもそもゴール地点・・「この地点にまでたどり着きなさい」が、ないため、進みたければ進めば良いし、進む必要すら、ないようにも思えた。
「結婚はゴールではない」とも聞くし、ゴールがないのであれば、、、どうして私は今まで、「頑張って自転車をこがなきゃ!」と強く感じ、焦り続けていたのだろう?



いや、ちょっと待って?

自転車レース以前に、そもそも、どうして私は今、この現実の世界にいるのだろう?

そもそも、この現実って、なに?


私の目の前には今、現実の世界が広がっているけど、この現実の世界って、なに?
どうして私は今、この現実の世界に存在しているの?


そして、どうして皆は、そういった疑問すらもたず、ひたすら、頑張って自転車をこぎ続けているの?
どうして皆は、そういったことを疑問視せず、ひたすら、ただただ、みんなで同じ道を競い合いながら走り続けているの?



勝ちも負けもないレースの中で・・否。
そもそも、これはレースなのかすら、定かでない中、ゴールなき道を、私はなぜか、焦りながら、不安だから、一生懸命に「置いていかれたくない!」と自転車をこぎ続けていて・・

ゴールも存在しない道にて、私はなぜ、頑張って自転車をこぎ続けているのだろう?

私は、いったい、どこに向かって走っている?・・否。
そもそも私は、どこに向かっていきたい?それすら、わからない。

いいや。
その前に、そもそもどこかに、向かう必要が、あるのかな?


ますます、わけがわからなくなってきた。



ふぅ~。
大きく息を吐き出し、公園を見渡してみた。

向かいに見える道路には、パラパラと自転車をこいでいる人達が見えた。
皆、公園のベンチに座り考え事をしている私の姿を「あの人はどうして、頑張って自転車をこいでいない?」と怪しい目で見てきた。

しかし私には、そもそもゴールすら、‘勝ち’の定義すら存在しないレースに・・否。
レースなのかすら、定かでないレースに戻り、ただ周りの風潮に煽られながら必死に自転車をこぎ続ける選択は、もう出来そうもなかった。


急いでレースに戻り自転車をこぎ始めても、ゴールがないため、どこかに辿りつけるわけでもないし・・

急いでレースに戻り自転車をこぎ始めても、【勝ちor負け】の定義がないため、勝つこともできないし・・否、そもそも勝つ必要がないし・・

そもそも、これはレースなのかすら、定かでないし・・

そう思うと、慌ててレースに戻り、ただ周りの風潮に煽られながら、不安だからと恐怖心にかられ、必死に自転車をこぎ続ける選択は、もう出来そうもなかった。



そうこう考えていると、焦ったり、慌てたり、競ったり、心配したり・・もう、する必要がないようにも思え、のんびりと立ち上がり、公園の爽やかな空気を胸いっぱいに吸い込み背伸びをしてみた。

「は~、気持ち良いー。」目を閉じ、爽やかな空気を感じていると、

チュンチュン♪

小鳥の鳴き声がし振返ってみると、そこに、ひっそりと小道があるのが見えた。

その道は、名も無き無名な道であり、どこに辿り着くかも不明な、どこかに辿り着いたとしても、どのくらい時間がかかるかも検討がつかない怪しい道に思えた。

皆、そんな、ひっそりと存在している無名な小道なんて無視して、向かいに見える大道路を競い合いながら頑張って自転車をこいでいた。


私は、小鳥達の鳴き声に誘われるままに、その怪しげな無名の道に自転車を進ませ始めた。

そもそも、そんな怪しい道をわざわざ進んでみる意味も価値もないように思えたし、進まなければならない理由もなかった。

そんな道を進むより、皆と一緒に大道路を競い合いながら走り【自転車メーター】を貯めることに専念した方が要領が良いようにも思えた。


私は、軽はずみで怪しい道を走り始めた。迷い、熟考したわけではなかった。ただの軽はずみだった。

名も無き道を歩み始めた理由なんて、とくになかった。
強いていえば、そこに道があったから・・かな。

こんな道を走っても、誰も認めてくれないであろうし、奇跡的な、運命的な出会いなんて望めないよう思えた。
そもそも、私が、こんな道を走っていること自体、誰も、知らないことだし・・。

私に自転車をこがせていたのは、今までとは違い、承認欲求や異性欲、焦りや不安以外の‘何か’だった。
関連不安/焦りの人生が豊かになる方法({不安/恐れ/心配}をモチベーションに頑張ると・・)
自分自身が、「もう、承認欲求や異性欲、不安感や焦り感に振りまわされたくない」と心の深い部分で感じつつあることも、小道を走りながら、なんとなく感じていた。




「あぁ、気持ち良い~。」マイペースで自転車をこいでいると、風が気持ち良かった。
そういえば、今まで、自転車に乗っていたのに、風を感じたことがなかった。
風は常にあったろうに、風を感じたことがなかった。

自転車をこぎながら、不平不満やイライラ、怒り、辛さ、苦しさ、不安感、焦り感・・ばかりを感じていた今までの自分が、少し、不思議に思えた。


小道を道なりに走っていると、木々が太陽に照らされ輝いている様子が視界に入ってきた。
今まで、この世界の、輝かしい側面が視界に入ってきていなかったことに、その時、初めて気がつくことになった。



心地いい風を感じながら自転車をこいでいると、「くぅ~ん」まるで、助けを呼ぶかのような鳴き声が聞こえてきた。
「助けなきゃ!でも・・」今までのクセで{でも、自転車をこぎ続けなきゃ!}と思い、罪悪感を感じつつも{助けを呼ぶ声}を無視し置いていこうとしたけれど、ゴールも勝ち負けもない道を走っていることを思い出しブレーキをかけ立ち止まった。

振返って見ると、小さな子犬が・・まだ目も開いていないほど小さな子犬が、小道脇の草むらの中に半分埋もれているのに気がついた。
自転車を降りて、子犬のところまで歩いていった。

「ごめんね。置いていきそうになって。」子犬を優しく抱き上げ頭を撫でつつ、そう声をかけた。

「くぅ~ん」同じ鳴き声だったが、今度は安堵感ある響きで子犬は鳴いた。

「迷子君なのかな~?」聞いても子犬は「くぅ~ん」としか答えなかった。

どうしたものかと思っていると、左側の草むら奥から、そっくりの子犬たちが出てきた。その奥には、お母さんと思われた犬も見えた。

「良かったね。みんな、君のことを置いていったりはしないんだよ♪」優しく抱擁し、そっと子犬を地面におろした。

地面におろした子犬のもとに、そっくりの子犬たちがパタパタとかけよってきた。

私は、度々振返りつつ、その様子を見ながら微笑み、また、自転車に乗った。
心の中には、暖かくて、優しい気持ちが広がっているように思えた。「この感情が、愛なのかな?」そんなことを思いながら、さきほどの可愛らしい子犬たちのことが思い出され1人「ふふふ。」と微笑みながら私は自転車をこいだ。



私の第1期間の自転車レースは終わりを告げ。

私の、第2の自転車レースが・・否。
私の、第2の自転車の ‘旅行’ が・・・幸せや楽しさで、いっぱいになることを願った、愛に包まれた旅行が始まった。


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~幸せとは何か?女性の恋愛婚活編|彼氏/恋人/結婚/交際/別れ/出会い~
<writer 名無き仙人>







バス男「僕も今度、草むらで横たわっててみようかな。」

バス子「ひからびて死んだ魚と思われ、無視されるわよ。」

仙人「愛を広げつつ、自分らしい人生を、幸せや楽しさいっぱいの人生を、生きていけると良いのぉ。」


関連人生/生き方わからないで迷う(男性編/私は自転車をこいだ)